Story
ちいさなリフォーム会社
不格好なはじまり
2010年1月 勤めていた会社が廃業しました。
廃業ですからもちろん仕事はなくなり、明日からどうしよう?という状況に追い込まれます。
当時も現在と同じく住宅リフォーム業に携わっており昼間はお客様との打ち合わせや現場へ、夜は見積作成や図面を書く忙しい日々を送っていました。
それが突然仕事がゼロになり、見通しがたたない状況になってしまった中、まず2つのことに取りかかりました。
1つは同業のリフォーム会社の面接を受けることです。一刻でも早く勤め先を決めて家族を安心させなければという思いでした。
ところが3社受けて全滅でした。
ぜひうちに来てほしい!という魅力が自分にはないのだろうか?と全身から力が抜け自信をなくしてしまいました。
それからもう1つ行ったことはこれまでにお世話になったお客様へあいさつにまわることです。
心身共にどん底の状況の中でしたのでおそらく真っ青な顔をして訪問していたと思います。
会社が廃業してしまったこと、ご迷惑をお掛けしてしまったことをお詫びしました。
訪問し始めて何件目かのお客様のところで「それは大変だったね」と労いの言葉をいただけました。
そして帰ろうとしたその時「あっそうだ、坂田さん、トイレをリフォームしたいのでお願いできる?」と思いがけない声をいただいたのです。
「えっ?どういうこと?」とぽかんとしてしまいました。
これまでは会社に属している自分、すなわち会社のネームバリューで仕事をいただけていたと思っていたのです。
ですからいただいた依頼に軽い衝撃を受け「今の自分には何もないので・・商品の仕入さえできるのかわかりませんし」と答えるしかできませんでした。
ところがお客様から帰ってきた言葉は「会社は関係ないでしょ、あなたに頼むんだから」でありました。
自分には何もないと思っていたどん底のときに「あなたに頼みたい」と言っていただけたこの言葉がこの会社の始まりであり、原点です。
ありがたいことにその後もあなたに頼みたいという嬉しい声が続いたことそして仕入れ先の問屋さん、大工さん、いろいろな職人さんにもご協力と応援をいただき 奇跡的に再出発をすることができたのです。
「あなたに頼みたい」という想いをしっかりと受けとめお客様に寄り添ってこれからもずっと進めてまいります。
リトルハピネスリノベーション / ライフデザイン株式会社
代表取締役 坂田 朗